201 新人ナース
今回ご紹介するのは 「診察室」です
見習いのナースが配属されてきました
ナースキャップをかぶるのも一苦労しているようですね
せっかくこんな雰囲気のある部屋ですから
それなりに医療器具なんかも用意してみました
手洗いの洗面器 レントゲン写真を写しだす装置なんかもホンモノでした
いやがうえにも ドキドキしてきます
当然 仕切りと診察台も備え付けられています
ではさっそく物語をはじめましょうか
「君は当内科に配属された新人君だね?」
『はい先生! どうかよろしくお願いします』
「筆記試験と面接に合格したから 今の君がいるわけだけど
まだ身体検査は受けていなかったよね?」
『はい 就職試験の項目にはありませんでした』
「内科はね いろいろ衰弱した患者さんが来られる 院内感染の心配もある
だから内科では身体検査を実施しているんだよ
今着ているものをすべて脱いで 診察台に横になりなさい」
『はい』
「誰がうつぶせになれと言ったんだぁ?
診察はあおむけからと決まってるだろうがぁ」
『す すみません 恥ずかしくって』
「あのね ここは病院なんだから 恥ずかしいとか
そんな気持ちになるわけないだろ
みんな病気を治したい一心でくるんだよ」
「はい 少し足を開いて!
いいだろ 外見的には異常なしだ」
「では 当院が貸与する制服を着たまえ」
『先生 あのぉー』
「君も当病院志望なら知ってるよな?
パンツもブラも 緊急時には汚れるし 邪魔なだけだ
とくにワイーヤー入りのブラは 患者さんを傷つけることもあるしな」
『えっ 聞いてませんけど・・・そうなんですね』
「じゃぁそこに座って」
『はい』
「おいおい!」
『えっ?』
「違うだろ! 病院は戦場だ 野戦病院と一緒だ
常に動きだしを早くするために 足は開いておく
裾もたくし上げておけ!」
『こ・・・こうですか?』
「よろしい では最初は 診察室の掃除でもしてもらおうかな」
『はいっ!』(ニッコリ)
「ほらほら 壁際のところが汚れているだろ
目につかないところほど しっかり掃除しなきゃ」
『診察台の上から失礼します』
『あぁ くたびれた』
「なんかもうダレてないかぁ? まぁいいだろう はじめてだしな
さっき外形診断をしたから 今度はちゃんと調べてあげよう」
『えっ どんなことをするんですか?』
「最初は乳がん検診だ 前を広げなさい」
『乳がん って』
「知ってるかい? うちの病院の看護師は 早期乳がんの発見率が
日本でもナンバーワンなんだよ
なんせ週に1度はこうやって触診しているからな あはは」
『あっ! 先生 わたしまだ20歳なんですけど』
「そう 若いうちから診察しておけば 異常もすぐにわかる」
『そうなんですか?』
「若いからって 癌をなめたら大変なことになるぞ
せっかくだから もうひとつ 触診でわかる癌の診察をしてあげよう」
「そのまま壁のほうを向いて
ストッキングを股下まで降ろすんだ」
『こう ですか?』
『えっ! 痛い! なにするの』
「決まってるだろ がんの触診と言ったら
乳がんのほかは大腸がんしかないだろ?
看護学校ではそんなことも教わってないのか?」
『いやぁ そんなことじゃなくってぇーーー』
「ん? 逃げるのか?
最初に君がハンコを押した雇用契約にも書いてあったと思うけど
今の君は試用期間なんだよ
試用期間中に重大な問題があった場合は 雇用を解除する
たしか そう書いてあったよね?」
『もちろん知ってますけどぉー それにしたって・・・』
「しかたない 私の本意ではないのだが
これ以上逆らうと 君の評価も傷つくんで縛らせてもらうよ」
『えっ』
「わたしだって いつでも麻縄を持っているわけじゃないんだ
仕事中だしね 今回は物足りないかもしれないけど
医療用チューブで我慢してもらおう」
『いやいや 我慢って』
『先生に逆らったら せっかくの就職がダメになるってことですよね?』
「ほぉー さすが優等生だ きき訳がいいじゃないか」
「では ちゃんと念入りに調べてあげよう
ん? パンストが邪魔だな」
「来年からはパンストも禁止するように
看護師長に言っておかないといかんな」
『・・・今日卸したてなのに もう破いちゃったんですか?』
「邪魔でしかないんだよ
もっとも 履いてもらってた方が破く楽しみができて
そそられるんだがな どうせ病院の支給品だしな」
「最初は超音波診断だ 異常があれば電波に乱れが生じて
患部がたちどころにわかるスグレモノだ」
『イヤぁ‐‐ そんな診察 聞いたことないわぁ―』
「つづいて 性病の検査だ
まさか処女でございます ってことはないわな?』
『性病なんて 持ってません!』
「おいおい 答えになってないぞ」
「まぁ この治療器具を装着すればわかることだ
どうだ? 診断メーターの針が ビュンビュン飛び跳ねてるぞ」
『そんなわけありません 感じてませんから』
「ん? 感じるって・・・ 診察で感じたらおかしいだろ?
これは治療行為なんだぞ」
『・・・で でも』
「そうか 診断メーターが壊れてるって言いたいんだな
器具を前後に動かしてみて 変化がなかったら
新しいのに買い換えなきゃいかんなぁーー」
『ダメぇーー ダメ!』
「なんだ すっかり感じちゃってるじゃないか
よしよし 次の研修だ ベッドに上りなさい」
『なにをすればいいんですか?』
「君は入院患者のお世話をしたことがないだろう?
清拭・・・学校で習ったよな?
私が患者さん役をしてあげるから やってごらん」
「当院では スキンシップを高めて 患者さんが
よりリラックスできるように 舌を使って清拭するんだよ」
『ホントですか・・・』
「まだ口ごたえするのかね? ほら しゃぶるんだ」
「そうその調子だ
君は意外とこの仕事に向いてるかもしれんなぁ」
「そうしていれば 当然こうなるよな?
患者さんはストレスを抱えているから
しっかりご奉仕するのがナースの役目だ」
「ほら キャップを落とさないように しっかり手で抑えて!
もっと早く動くからね」
「どうした もう壊れたか?
今年に入って何人が行方不明になったんだろう
不思議だな しかたない
明日にもまた 新たな求人募集を掛けよう
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